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JR西日本の中で芸備線と並ぶ最強の秘境路線木次線。

より秘境感の増す出雲横田~備後落合間ではとんでもない営業係数をたたき出し、輸送密度も恐ろしいほど寂しいことになっています。



そんな木次線の出雲横田~備後落合間ですが、去年の12月18日からずっと運転を見合わせています。

なんで運転してないかと言うと、原因は大雪。

中国山地は日本海側からの雪雲を受け止めるわけで、それで大雪となるわけです。



日本全国豪雪地帯と呼ばれる場所はかなり多く、そういった地域を走る鉄道路線も数多く存在しますが、基本的には除雪をして長くても数日ぐらいで運行が再開されます。


しかし木次線では利用客が少なすぎるためなのか、経費削減なのか、立地的に除雪が難しいのか、真実はわかりませんが、ある程度雪が積もったら春まで運休というのがわりと珍しくないようで。


んで、春が訪れ積雪も無くなったから、今年は3月10日から運転を再開するとのことです。

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所変わって新潟と福島を結ぶ只見線。昨年10月に豪雨災害を乗り越えて11年ぶりに全線で運行を再開したのが記憶に新しいですね。

その只見線、3月4日から只見~大白川間で当面の間運転見合わせとなりました。


こちらは気温上昇により落雪の可能性があるためとのこと。


特別豪雪地帯に指定されている地域ですからね。毎年とんでもない量の雪が降り、それが気温上昇で一気に溶けたら雪崩の心配が出てきて当然です。はい。



鉄道って通常の維持コストだって馬鹿にならないのに、それに除雪やら雪崩対策やらやっていたら、費用は嵩むばかり。けれども売り上げなんてわずかなローカル線。赤字額がとんでもないことになる一方ですよね。



だからと言って雪で止まっていたら公共交通としてそれは必要なものなのか?と問いたくもなってきますよね。


昭和の時代と異なり、山間部でも走りやすい道路、バイパスやトンネル新設などで冬季閉鎖しなくなった道路も増えてきていますし、マジで雪国のローカル線の在り方って本当に考えなおした方が良いと思います。



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JR東日本がご利用の少ない線区の経営状況を公開しました。


コロナ前の2019年度に平均通過人員2000人/日未満の線区が開示対象なんですが、コロナ前で十分すぎるほどひどい数値をたたき出しています。



東北地方、信越地方で赤字路線が多発するのはわかりきったことですが、
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久留里線がやばいっす。

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特に久留里~上総亀山の末端区間が、コロナ前の時点で営業係数15000円越えです。

運輸収入200万に対して営業費用3億4400万ですよ。平均通過人員も1日85人。


 東北山奥の豪雪地帯県境越え区間とかよりも酷い数値でした。もはや出費を抑えたところでどうしようもないレベルです。





仮に同一区間を移動する需要自体があるというならまだ可能性はあるのかもしれませんが、de14779e.jpg
上総亀山の駅前でこんな感じの場所、需要があるようにも思えない状態です。



山田線みたいに並行するバスは元気ですって言うなら、それに対抗する策はないのかって話になりますし、豪雪地帯とかで冬場鉄道が無いと道が寸断されて移動できませんってなれば何がなんでも残しておこうってなりますけど、令和のこの時代、道路網もかなり整備されて、道路がダメになっても鉄道は大丈夫って場所もかなり限られます。むしろ今は共倒れからの鉄道の復旧が遅れるパターンがほとんど。



久留里線末端区間に関してはどちらにも当てはまらないですし、かなり危ない状態でしょう。




鉄道って線路維持するだけでものすごい費用がかかるのに、初乗り140~150円というものすごい安い値段しかとっていない、薄利多売で成り立つ商売です。


公共交通機関としての役目がなんだ言われますが、JRは民間企業ですので、商売をしなければならない、利益を生まなければならないんです。




さすがに鉄道である必要がない、鉄道運営が向いていない地域が多すぎるというか、人口希薄地域で鉄道は成り立たないんですよ。

第三セクター化や廃止バス転換だけでなく、BRTとか上下分離など、方法はいろいろあります。


どれがその沿線に適しているのか、しっかり見直さなければいけない時期でしょう。そして今のうちにしっかりJRと話し合っていけば、金銭になるか技術になるかわかりませんが、それなりに支援が受けられる気がするので、地元自治体は廃止反対だ鉄路を残せだとかばっかり言ってないで、しっかり向き合った方が得な気がする超特快でした。






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