
レンタカーを借りたのであるから、もちろん返さなければならない。
乗り捨てをするわけで、返却店舗と返却時間はすでに指定しており、返却店舗は鳥羽でもうそれほど遠くなく、返却時間はゆとりを持って午後6時と伝えてある。
しかし、1つ問題がある。
それは前日の就寝時間が午前1時過ぎで、起床時刻が午前2時前と、圧倒的に睡眠時間が足りていないのである。ちなみに前日までの睡眠時間は短いもので、私の体力は限界に来ていた。
車を運転している間は寝るわけにいかないので、一刻も早くレンタカーを返却して、電車で寝たいのが私の思いである。
そこで私は鳥羽駅を15:54発の列車に乗ることにした。
しかし、せっかく訪れた伊勢の地を、さっさと過ぎ去ってしまうのも非常にもったいない。せめて伊勢神宮ぐらい、外宮と内宮の両方を回っておきたいものだ。
伊勢神宮外宮の駐車場を出た時点で、時刻は14時30分を回っていた。残された時間は伊勢から鳥羽まで20㎞弱の移動時間と、ガソリンの給油時間、レンタカーの返却手続、切符の購入時間を含めて1時間20分。
外宮の駐車場から数分で内宮の駐車場に到着。この時点で、まだ余裕があると思っていたのだが・・・・
外宮は駐車場からすぐのところにあったのだが、内宮は、

めっちゃ遠い。
おかげ横丁と呼ばれる観光スポットですね。寄ってみたい店は多いものの、残念ながらそんなことしていたら、15時54分の列車に乗れません。
いや、最悪次の列車にしてもいいんだけど、そうすると待ち時間以上に自宅の到着時間がかなり遅くなってしまうんですよね。列車で寝る以上に、一刻も早く布団に入りたい私に、その決断をする勇気はありませんでした。

急ぎ足で歩くこと駐車場から10分ちょい。

ようやく内宮の参道橋である宇治橋に到着。
時刻は14時58分。列車の時間まであと56分。
駐車場まで10分以上、鳥羽までの道のりを30分と見積もって、そこからガソリンスタンドを探す時間と、返却手続の時間を考えると・・・・・・・
結論、ここで諦めます。
ここで伊勢神宮、内宮への参拝を諦めました。


内宮の敷地に踏み入れつつ、参拝はせずに引き返してきたけど、これって神から見たらスン止めなわけで、罰当たりなのもいいところ。そんでこの睡魔のなか、残り僅かの距離とは言え、見知らぬ道をひた走るわけですよ。
この状況下で罰が当たるとしたら、確実に交通事故なわけで。(半分自業自得な気もするが)
下手すりゃ死が待ち受けており、仮に死ななくても、レンタカーで事故ったらそりゃさぞ面倒な事であろう。
そんなことを考えながら駐車場に戻り、車のエンジンをかけたのであった・・・・・・。運命は如何に。
発車時刻まであと40分。
つづく。